聖なる犯罪者
・聖なる犯罪者
今年初めて映画館で観た映画です。
あらすじ:事故(でもほとんど自分のせい)で人を殺してしまった主人公が、少年院に収監されている描写からはじまる物語。犯罪歴のある人間は聖職者にはなれないのですが、彼は聖職者になりたい。仮釈放されてポーランドの国外れの街の木材工場ではたらくことになるのですが、やっぱり逃げてしまって立ち寄った街の教会でだまして(?)なりゆき(?)で神父になってしまいます。その街には過去に事件が起こっていて…というもの。
監督はヤン・コマサ
役者はバルトシュ・ビィエレニア、エリーザ・リチェムブル、アレクサンドラ・コニェチュナら
この映画は2021年はじめて映画館で観る映画にふさわしい作品でしたね。
ほんとうに役者の演技がすごすぎる。
監督のヤン・コマサの作品は初めて観ました。
一見、途中まですごくよいストーリー風に見えるのに、やっぱそうだよねという絶望さんが待っています。
そう簡単にいかないよねという感じ。
主人公のダニエルは逃げではなくて本当に聖職者になりたかったのか?という点が疑問点が生まれます。改心する気配がないのに信仰心だけは立派にある。
酒もセックスもするのに祈る。
信仰心はあるけどどうせなれないという感情がそういう行為をさせるのかな…いまいち理解ができなかった 日本人なので…
「規則にはなんらかの意味がある」
「告白すれば許される」
なんて説くくせに前科者は聖職者になれない矛盾がおおきな軸になっています。
大きな矛盾。
実際にポーランドにはこういう犯罪がたくさんあるみたいでおもしろいですね。
宗教に巨大な権力がついている欧米諸国の国々、たいへんそうだな。
神の前ではみな悪人なのではないのですかね…
「赦しとは忘却ではなく愛である」
ポーランドの監督らしく終始、画が暗いんですよね。とても好きなんだけど暗い。
人に簡単に勧められない映画でした。
なにはともあれ、こんな状況下の中で映画館にいけることに感謝して今年もたくさん映画館にいけるといいなあと願っています。