おきばしょ

記録です。

アウシュヴィッツ・レポート

アウシュビッツ・レポート観ました。

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すごかった。
2021年の8月はナチ関連の映画怒涛の公開なので、当分映画館に通うことになるとは思います。今回はその第一弾です。

仕事終わりに行きました。
夜、もう制限がかかっていないので遅い映画観れるようになって本当に嬉しい。
空いている映画館で一人で観る映画が好きなので。

 

さて、アウシュヴィッツ・レポートについてです。

内容について 

内容はアウシュヴィッツで起きていること、死者数やガス毒殺等収容所で行われている悲惨なことを収監されていたユダヤ人の記録係が脱走をして、これまでに殺された人々の数やアウシュヴィッツで起こっていることについて有力者に訴えようとするお話。
訴えるだけではなくアウシュヴィッツ自体を爆撃してほしいという要望を同時に伝えるための脱走でした。ぜひ観ていただきたいのですが、まあ、史実の通り爆撃はされずアウシュヴィッツでの大量殺戮は終戦まで行われます。

 

制作陣

 

本作は2021年度の第93回アカデミー賞国際長編映画スロバキアの代表作品に選出された作品です。 

監督はペテル・べブヤク

監督について調べたのですが、全く何も情報を得られなかった。(笑)
このアウシュヴィッツ・レポート以前に2作製作しているのは事前に調べていましたが、どこの誰で、どんな来歴なのかという情報が全く見えませんでした。
調べ方が悪かったのかな…。
英語版wikiもないなんてほんとか?と思ったのですが、もう少ししたらできそうな気がするので定期的にチェックしてみます。

 

役者はノエル・ツツォル、ペテル・オンドレイチカジョン・ハナーらです。

ことごとくこれが初主演の役者ばかりですね。ジョン・ハナーについてはいくつか作品に出演しているようですがあまりパッと思い出せませんでした。

初主演の役者ばかりなのにこのクオリティか〜と改めて怪演さに圧倒されました。すごいな。

 

音響はマリオ・シュナイダー

今回特に音楽はあまり印象に残らなかったです。そもそも音響に関してはあまり特殊なことをしていなかったんじゃないかなとも思います。(映像を強調させるためには丁度よかった)

 

撮影監督はマルティン・ジアランというスロバキア人。

日本で公開された映画はこれまでゼロですが、これまで11作程度の映画に携わっているようです。撮影方法はあまり類をみない手法で驚きました。私自身そんなに映画を観るほうではないので最近の主流なのかなと思ったのですが…凄かったです。

何がすごかったかというと、まず目線が変わること。
通常映画は客観的に役者を写すのが主流だと思うのですが、この映画に関してはころっといきなり主観になるんですよ。そして客観に戻る。なんてことをなんの違和感も感じさせずにやってのけるのがすごいなと思いました。
その撮影方法で、人間っていうのはものを食べず極限状態までいくとああやって耳鳴りがしてああやって視界がぼやけて、ああやって力尽きるのか…とあまりしたくない体験ができました。妙にリアルで体調悪くなってしまう人もいるんじゃないかな〜なんて呑気に思っていましたけど、これって撮影と音響を存分に味わえる映画館だからこその体験だよなと気づいてしまって。
映画館通いはこれだからやめられないな〜と謎の結論に至りました。

 

感想

この映画、全体的にナチ批判というよりは国際社会批判というように捉えました。知った上で何も動かない国際社会、そのために犠牲者が増えてしまった、という批判のメッセージ。

ナチが悪いのなんてみんな知っているでしょ?
でもね、ナチだけが悪かったんですか?

という問いかけ。

 

強烈でした。
そしてそのメッセージが明確になるのがエンディングなのかな、と。

エンディングにおいて肉声で最近の音声が流れます。内容はマイノリティー差別や民族差別、移民問題、人権問題まで。さまざまな、だけど今現在確実に起きている問題。

 

ナチは決して過去ではないのよという強いメッセージ性を感じました。

 

エンディングにこれらの肉声がきたので、心ない政治家たちの肉声にキャパオーバーして泣いてしまった。発せられた言葉が耳障りっていう感覚初めて体験しました。

どうして学ばないのか、という脱力、
無関心だった自分に対しての情けなさ、
民族浄化は過去のことではないという危機感、
人類、同じ過ちを犯すんだなという明確な答え

これらが同時にきて堪えきれなくなった結果がだらしない涙に表れてしまったんですね。多分泣いていたの自分一人だったしなんでこいつこんなところで泣いてんだ?となっていたと思うんですが、止まらないものはしょうがない。

とにかくエンディングも含めて一作品となっているで最後まで見ることをお勧めします。内容もそうだし、技術的なところも良かったです。ナチオンリーの批判でない内容、新しいなと思いました。

よく考えればわかることなんですけどね。

敵を作って仕留めろとそのために団結するぞというのがどうやら人類の性のようなので。そんなの糞食らえ自分の頭で考えろと思ってしまうのですが。

 

このメッセージを大切に受け取って自分ができることを探せればなと思います。
まずは知るところから。無知は最大の罪なので。

 

観た映画の順番は異なりますが、
コングVSゴジラやマッドマックスシリーズ等々観ているのでそれらもアウトプットしたい所存。時間と労力がな・・・。

 

最後まで読んでくださりありがとうございました。