おきばしょ

記録です。

アンソニーのハッピー・モーテル

アンソニーのハッピー・モーテルを観ました。

 ウェス・アンダーソン監督の初めて撮った短編映画『Bottle Rocket (1992)』の輝き!出演は、監督自身とオーウェン・ウィルソン! -  シネフィル - 映画とカルチャーWebマガジン

この映画はとくに好きな映画の一つでなんとなく夏に観たくなる映画です。

三馬鹿が本当に愛おしい。
この3人を観ていると些細なことに気を病むことないと心を強く持てます。

 

 

・あらすじ

アリゾナ州、精神が病んでいた無職のアンソニーは、昔の仲間だったディグナンに誘われて、強盗で一発当てようという相談に乗る。車の運転担当として、兄にコンプレックスを持つボブが加わり、3人は手はじめに郊外書店を襲撃して成果をあげる。その後泊ったモーテルの客室係・イネスに、アンソニーは一目ぼれしてしまう。ボブの一時逃走もあったが、増えた仲間で今度は兵器工場の金庫を狙う。しかし度重なるドジで計画は失敗、ディグナンは刑務所に送られる。

要するにアホなんですよね。
愛おしきアホ。アホなんだけど映画自体が精巧に制作されているので、普通だったらいらいらしてしまうことでも、観るべき観点が多いので気が散って(褒めてる)内容にフォーカスが当たらなくなって、笑いに持っていけるのではないかなあと思います。

アンソニーもディグナンもボブも物語の中に生きている人間を表現するのが上手だなあと。アンダーソンの手腕でもあり役者の手腕でもあります。

 

・制作陣

監督はウェス・アンダーソン

この「アンソニーのハッピーモーテル」が長編の処女作となります。処女作でこれってほんとか?と思うほど、アンダーソンの世界観が満載なので、この人の才能って計り知れないなあと思います。
ウェス・アンダーソンといえばオーウェン・ウィルソンですが、この映画でも共同制作兼役者として出演しています。この二人がダックを組むと本当に最高な作品が生まれますよね。最新作もとっても楽しみです。

出演者は、ルーク・ウィルソンオーウェン・ウィルソン、ネッド・ダウド、シェア・フォウラー、ヘイリー・ミラーら。

ウィルソン兄弟がこの映画でデビューとなりました。この二人以外のメインキャストはこの映画が最初で最後・・・のような印象を受けますが、私が知らないだけで出演されているのかしら。

 

音楽は、マーク・マザーズボー

シンセサイザーのあり方にこだわりがあり、日本でのテクノポップの火付け役として紹介されていましたが、そんなことより彼の音楽はこの映画にぴったりです。この映画が夏っぽいのにどこか哀愁を見せつけてくれるのは彼の音楽ありきだと思うのです。

 

撮影は、ロバート・D・イェーマン

彼は今後のアンダーソン作品によく登場します。彼のカメラワークは割と独特だなあと感じることが多いのですが、何と言っても構図が最高にロマンチックだなと思います。(もちろん監督の意思も大きいとは思いますが)アンソニーとディグナンが喧嘩して(いつもだけど)不貞腐れて草っぱらに横たわるシーンは最高なワンシーンの一つだし、モーテルのプールでアンソニーがイネスに出会うプールのワンシーンも切り取って額に入れたい。最新作も楽しみです。

 

・感想

先述したとおり、この映画は好きな映画の1作になります。
コメディだけれど笑いに全振りしていない。バランスがとても良い映画なのではないでしょうか。個人的にアンダーソンの映画が特に好きなので贔屓目入っていると思いますが…。

アンダーソンのこの色彩感覚とセンスはどこで培われたものなんだろう。本当にどの映画を見ても全て等しく可愛い。
スタイリッシュなものに憧れはもちろんあるけれど、こういう映画を見てしまうと可愛いガラクタが欲しくなるな〜といつも思います。

個人的にはディグナンのファッションが優勝です。みんな病んでてみんな素敵。まさしく素敵な3人組の映画です。

 

ウェス・アンダーソン監督は好きな監督の一人なので、これからも楽しみにしています。最新作、「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」来年公開ですのでね。本当に楽しみ。コロナがなかったら本国に飛んで見に行っていたかもしれない土日を利用して、それだけのために…そういうことも簡単にできなくなってしまって…次回の新作の時は絶対やろ。次の作品も公開決まっているようですし!今後がますます楽しみです。