おきばしょ

記録です。

草の花/福永武彦

久々に出会ってしまった…と思える本を読みました。

 

 

インスタグラムの記録の方にも散々書いたのですが、これはもう出会ってしまったとしか言いようがないです。

福永の作品は愛の試みを高校生の頃に読んだだけで、ふ〜んという感じだったのです(若かった)。フォロワーさんが読んでいたのを見てそんなに良いのか!と軽率に手に取ってしまったが最後、読み終わって3日経ちましたが、気をゆるすと汐見が頭の中にあらわれては自分に問いかけてきます、人生について、愛について、生きることについて、お前はどうなのかと。

そして当然それらの答えに私は何も考えて生きていないのではないかと、
狂うような愛情を持ったことはないのではないかと、
何かに手がつけられなくなるような感情を抱いたことなどこれまでなかったのではないかと、
これまでを振り返っては記憶を思い起こしその通りだ・・・となって泣きたくなっています。この私をみて汐見くんはなんというでしょうか。

何も考えない生など死と同義ではないかと落ち込んでいるのです。

何せ今年の目標が、「考えることを放棄しないこと」なので、なおさら。

この本に出てくる登場人物は須く、どう生きるかということについて永遠と考えています。そう比喩ではなく永遠に。死ぬまで。
すなわち登場人物たちは、自分の信念があり信じているものがあって、考えがきちんとあり、友がいて、愛を持っている人たちなのです。

だからこそここまで物語が膨らむんだななんて当たり前なことしか言語化できません。

 

物語の構成は、現在→過去の回想→現在となっています・・・と語り始めたかったのですが、残念ながら私の語彙力じゃあ何も語れなかった。
3日たった今でもイメージだけは鮮明に残っているのですが、これを読んだ後の衝撃的な感情と未だに引きずっている感情を言語化できない…。
というか、思っていることを表したいが故にこうやって感想など書いているのに肝心なところでできないのって果たしてこの行為に意味あるのか?と考え続けています。
修練あるのみだということは理解しているのですが。

まぁそもそも、言語化できる/する/しない以前にこの本を読んだ後の感情は、感情自体が抽象的すぎるので、感情すら固まっていなかったのかもしれない。そのくらい衝撃的でした。

もうもどかしいので感想はこの辺で終わりにしてもう少し落ち着くまで待ってみようかと思います。
死ぬまで持ち続けたい本の1冊になりました。
とりあえず「愛の試み」読み返して全集か全作品を買い集めようと思います。
ちょうど給料日なので。

 

私は立花さんがとても好きです。
5行程度しか出てこないのですが。