仁義なき戦いシリーズ
仁義なき戦いを観ました。
たまたま父親との会話の中で、大学院の友人の話になってそこから原爆のお話になりそういえば「仁義なき戦い」のOPって知ってる?と聞かれたことがきっかけでした。OPだけ確かめようと思って流したのに、全部観てしまった。1〜5まで毎日1本真剣に巻き戻したりしながら長い時間かけて虜になってしまいました。困った〜。
名作だからこそ観ていない…的な作品あると思います。私はこの仁義なき戦いでした。
・あらすじ
終戦直後の呉。広能昌三(菅原文太)は復員後、遊び人の群れに身を投じていたが、山守組々長・山守義雄(金子信雄)はその度胸と気風の良さに感心し、広能を身内にした。まだ小勢力だった山守組は、土居組との抗争に全力を注ぐのだった。その土居組を破門された若頭・若杉(梅宮辰夫)が、山守組に加入。若杉による土居殺害計画が進む・・・。(filmarks)
終戦直後の広島、呉を含むヤクザのお話ですね。
ヤクザのお話とは言いつつこの映画、単なるヤクザ映画ではなくて組織の脆さとかそういったお話なのかなと思いました。頭が賢くても手下を統一できない場合、組として、組織として弱くなってしまうし、義理を大切にする人間よりも上手く立ち回る人間の方が出世していくなど…
全体的に切ないな〜と思いつつテンポがとても良いので、感傷に浸る前に話が進んでしまうそこがいいなと。この作品の全体的な評価ポイントなのではないでしょうか。だれない、話は複雑だけれど集中できる、押し付けがましくない、流れがある…等々。
色々調べてみると脚本家の笠原和夫の手腕があったようですね。
・制作陣
監督は深作欣二です。
調べていたのですが、仁義なき戦いのWikipediaがとても読み応えがありました。すごいなこれ。色々な人の錯綜があり、思いがあり「仁義なき戦いシリーズ」が製作されたことがわかります。
脚本家は笠原和夫。
映画「二百三高地」の脚本も担当しているようです。
この映画も面白かったな。さだまさしの防人の詩は一時期ずっときいて聞いていました。
役者は金子信雄、 木村俊恵、松方弘樹、菅原文太、田中邦衛、 梅宮辰夫、 北大路欣也、成田三樹夫、千葉真一
本当にさまざまな役者が出演しているのですが、なんと豪華なことよ…。びっくりしてしまいますよね。日本の役者に疎い私でもわかるこの凄さという感じで一瞬たりとも目が離せませんでした。
この映画の制作に関してはエピソードがあるのでWiki読んで見てくださいとしか言いようがない。とても面白かった。
・感想
もう今年の夏は仁義なき戦いとともに終えたと言っても過言ではないので本当にそれはそれはズドンときました。
本当に面白かった。
ヤクザについての知識といっていいのかわかりませんが、組織の難しさみたいなものを目の当たりにしてしまって、これは今の企業では?と思うこともたくさん。大きな組織のトップに立てるのは山守のような人間なんだろうな…きっと…
同時に「悪」というレッテルをつけることは簡単だよなとも感じさせられました。この話に限ってではないのかもしれませんが、戦後それぞれが生きるためにもがいた結果がこうなってしまったといえるのではないかな。完全に「悪」だと決め付けられないものってたくさんあり、その中の1つに広島ヤクザみたいなものがあるのでは。元はといえば戦争のせいともいえるし。戦後だからこその命の軽さだな。混乱期の秩序を作ったのはヤクザだと言うことも、警察よりも役に立っていたというのも納得できると…今はどうなのか知らないしあまり知りたくもないのですが…
とにかく面白かったです。
菅原文太も成田三樹夫も誰も彼もかっこよく見えてしまう。(成田演じた松永は多分唯一格好良賢い人間だと思っている)どうして日本のこの時代の演技って上手なんでしょう。最近の役者をあまり知らないということもありますが、こんなに全盛期の役者がごろごろいるのおかしくないですか?こちらは眼福ですが。見ていて恥ずかしくなることがない…。
楽しかったです。